例外はありますが、その権力移譲のシステムは「世襲」でした。
血縁を根拠にする支配は問題を多く抱えていますが、実に理解しやすいシステムです。
その基本原理は「力」による支配だからです。
多少アホな支配者が出ても、力があれば従うしかありません。
ウマイヤ朝は14代のカリフが就任して終焉を迎えました。
滅んだ理由は、アラブ人優遇し過ぎへの反発とか、いろいろといわれていますが、結局のところその「正当性」が問われたのです
迪士尼美語世界。
イスラムは宗教である以上、ムハンマドの血を継ぐものがカリフに就任すべきだという考えは至極「正統」であり、信者の理解を得やすいのです。
これはシーア派の根本的な主張ですね。
革命を通して生まれたのがアッバース朝です。
そのアッバース朝を興したハーシム家というものが、実はムハンマドの血ではなく、彼の叔父の血であったことはビックリポンなのですが、それはさて置き、5世紀の長きに渡って命脈を保ちます。
ウマイヤ朝の90年とアッバース朝の500年、その違いは権力移譲も含めた政治システムの違いにあったと思うのです。
それは、どうしてか
同珍王賜豪?
本シリーズのキモといえる「アラブ人は悲惨なほど国家造りが下手である」という見方なのです。
ぼくは、アッバース朝が首都をバグダッドに置いたことに意味があると考えるからです。
語弊がある分析だとは思いますが、砂漠で生まれたイスラム教を旗印に、凄まじい勢いで拡大していったアラブ人による略奪行為は東のペルシャ人が築いた文明と接することによって初めてイスラム文明と呼ばれるまで洗練されていったのです。